犬にミネラルウォーターはダメ?犬に安全な水とは
犬が健康的で長生きするためには、ドッグフードの栄養が欠かせません。タンパク質・炭水化物・脂肪・ビタミン・ミネラルをバランス良く摂取する必要があります。
ワンちゃんに必要な栄養素とバランスについては以下のページで詳しくまとめてあります。ぜひ合わせて読んでみてください。
参考犬の健康に必要な六大栄養素と成分のバランスその他に忘れがちなのが「水」です。
水が栄養?というとピンと来ないかもしれませんが、水は犬の生命維持にかかわるものなので、ある意味最も重要な栄養素といえるでしょう。
人間もそうですが、犬も体内の大部分が水(水分)で構成されています。そのため、体内の総水分の10%が失われると危篤状態になるし、15%以上失われると死んでしまいます。
それほど重要な「水」ですが、犬の情報サイトなどではドッグフードの栄養バランスが語られるばかりで、水の重要性を説明するサイトは少ないです。
そこで今回は、水の果たす役割と、犬に与えてもいい水の種類・与えてはいけない水の種類などをご紹介しようと思います。
犬に与える水の役割
物質(成分)を移動させる
食べ物から摂取した栄養素(成分)は、水に溶かされて体内を移動します。
食べ物の栄養素だけではなく、薬から摂取した成分、細胞で排出された老廃物など、すべて血液などの水分に溶けて体内を巡ります。
成分の化学変化
食べ物から摂取された栄養素は、成分を変えてエネルギーとして活用されたり体内に蓄積されます。その成分変化(化学反応)で利用されるのが水です。
タンパク質も炭水化物も体内で分解(消化)されますが、そのときは水が必要になります。
体温調節
犬が風邪を引いたり体調が悪くて熱が出たとき。激しい運動をして体温が上昇したとき。筋肉を使って筋肉が熱を持ったとき。そのとき体温を下げるために必要なのが水です。
水を体内に溜め込んで、熱を持ったり炎症している部分を冷やします。人間でも激しい運動をした後に一時的に足が太くなるのは、筋肉がパンプアップされたことと水を溜め込んでるからです。
体にハリや弾力を与える
肌(皮膚)にハリや弾力を与える役割があります。また、目はそのほとんどが水分でできているため、目の健康を維持するためにも水が必要です。
老犬になり皮膚にハリがなくなってくるのも、体の中の水分が減ってくるからです。
犬に必要な水分摂取量
人間が喉が渇くと水を飲むように、犬も水分が足りなければ勝手に水を飲んで調節します。そのため「この水分量じゃないといけない」というものはありません。
ですが、一応目安はあって、1日に必要な水分摂取量はドライフードの必要エネルギー量と同じと言われています。
例えば、体重5kgの犬に必要な1日のエネルギーが300kcalだとしたら、1日に必要な水分量は300mlになります。ただ、前述のとおり、犬種の違い・個体差の違いもあるので、飼い主にできることは「水を飲みたいときに水が無い状態を作らないこと」です。
犬にミネラルウォーターはダメなのか?
「犬にミネラルウォーターはダメ」という情報がありますが、正確に言うとダメではありません。ミネラルウォーターの種類を選ぶ必要があるというだけです。
水の硬度の問題
水には「硬度」というものがあります。
水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」といいます。WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l未満を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」といいます。日本の一般的な水道水の硬度は60mg/l前後です。
日本の水のほとんどが軟水で、ヨーロッパや北米には硬水が多く存在します。
水の硬度はその土地の食文化と密接に関連していて、肉がメインの西欧料理ではミネラルが不足しがちなため、ヨーロッパでは硬水で不足しがちなミネラルを補っています。生まれたころから硬水に慣れていれば問題ないのですが、軟水に慣れている日本人がいきなり硬水を飲むとお腹を下したりします。ヨーロッパ旅行で生水を飲んではいけないというのはこのためです。
犬は水の硬度には人間以上に敏感で、ミネラルウォーターを与えるなら「軟水」のミネラルウォーターでなければなりません。
WHOによる分類
| 軟水 | 硬水 | |
|---|---|---|
| 硬度 | 120mg/l未満 | 120mg/l以上 |
一般的な総称
| 軟水 | 中硬水 | 硬水 | |
|---|---|---|---|
| 硬度 | 100mg/l未満 | 100mg以上~300mg/l未満 | 300mg/l以上 |
犬でも飲めるミネラルウォーター
犬に与える水は「軟水」であれば、水道水で構いません。理想的なのは水道水を蒸留したものかミネラルウォーターですが、蒸留は面倒ですので、水にもこだわりたい方は、軟水のミネラルウォーターを与えましょう。
軟水のミネラルウォーターは「いろはす」や「南アルプスの天然水」です。対して硬水の代表は「エビアン」になります。硬度はミネラルウォーターに明記されているので、必ず軟水のミネラルウォーターを選んでください。
災害時の避難用バッグに水を用意するときは、軟水のミネラルウォーターを用意しておきましょう。
「いろはす」や「南アルプスの天然水」など軟水のミネラルウォーターならOK!
水が犬に与える健康への影響
硬水がなぜ犬に良くないかというと、硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムによって尿路結石などの病気を発症するからです。
カルシウムやマグネシウムは量が多くなると結石になりやすく、腎臓、膀胱、尿道に石が溜まりやすくなります。そのため膀胱が刺激されて痛くなったり、尿道に結石が詰まっておしっこが出にくくなるなどの健康被害が出てきます。特におしっこが全くでなくなると命にかかわる危険もあるので、硬水は犬に与えてはいけません。
以上のように、水は犬には欠かせない栄養素であると同時に、飲ませる水にも注意が必要です。「綺麗な水をあげたいから」という理由で硬水のミネラルウォーターを与えないように注意しましょう。
また、極端に水を飲まない場合、逆に極端に水を飲む場合は何らかの病気も考えられるので、早めに病院(獣医)で診察を受けてください。





